富山県にある世界遺産 五箇山合掌造り集落群は歴史的な合掌造りの家屋や集落、伝統体験施設などが広く点在している観光スポットになります。山深い位置にある五箇山は温泉もあり、宿泊や観光の疲れをいやすことができます。今回は五箇山合掌造り集落の近くで見晴らしがよく、伝統体験もできる温泉宿の日帰り入浴のレポートと周辺の観光情報をご紹介します。
五箇山温泉 五箇山荘
五箇山荘は富山県南部の南砺市五箇山にあります。五箇山は40の小さい集落の総称で南砺市の中でも南の岐阜県との境目にあり、とても山深い位置にありますが、近くに東海北陸道「五箇山I.C.」があるため比較的アクセスしやすいです。
五箇山荘は「五箇山I.C.」から車で10分ほどで到着します。
重要文化財の合掌造りを抜けて坂を上っていくと五箇山荘があります。見晴らしがよいため駐車場から五箇山の山々を眺めることができ、五箇山荘の周りも自然に囲まれています。
五箇山荘の入り口は一見、スパなどの日帰り入浴施設のような外観です。
しかし、中に入ってみると広くてきれいな内観で、木のぬくもりも感じる立派な旅館でした。
受付で入浴料を支払い、ロビーを見渡してみると五箇山荘オリジナルブレンドコーヒーなるものが置いてありました。こちらはフロントに300円支払うことで頂くことができます。
ロビー横にはお土産屋があり、五箇山の特産や富山県名物のものまでそろっています。
お風呂まで道のりを歩いていると、干支が描かれた和紙の掛け軸が飾られています。五箇山は和紙が特産で自家栽培の五箇山楮(コウゾ)を使って作られているそうで、合掌集落で和紙の手作り体験もすることができます。干支が描かれた掛け軸が見事でほしくなりました。
ご宿泊の方には特典として毎週木・金・日曜日に五箇山民謡を無料で観覧することができるとのことです。山深い五箇山には30近い民謡が残されているそうで、中でも「こきりこ節」と「麦屋節」は無形文化財に指定されています。
お風呂に向かう途中の休憩処では寝転がれるスペースとテレビがあります。こちらの利用は10:00~16:00とのことです。
お風呂場の前と脱衣所内に気貴重品を入れることができるコインロッカーがあります。
清潔感のある暖簾をくぐってお風呂に入っていきます。
温泉
泉質
源泉名;五箇山温泉
泉質;アルカリ性単純泉
浴用に供する場所における泉温;42.0℃
成分総計;0.7074 g/kg
無色透明で無味無臭の温泉です。お湯の肌触りは肌に吸い付いて張りを感じます。ここ五箇山の地域の温泉は無色透明のものが多いようですが、クセがない分万人受けするお湯だと思います。成分分析表を確認すると加水と加温があり、循環濾過もありとなっています。
五箇山温泉は新百名山に数えられる人形山(ヒトカタ)の麓から湧き出た温泉で、その発見するまでの物語をこちらで知ることができました。
~五箇山温泉ものがたり(五箇山荘 五箇山温泉ものがたりを要約)~
あるお婆さんが病に倒れ、その娘2人が当時の人形山頂上に建てられた白山権現堂に向かって祈りをささげた結果、夢枕に権現様が現れ、病によく聞く湯をお教えてくれたそうです。実際に見つけた娘2人はお礼参りの為女人禁制の人形山に登ったところ、降り積もった雪に倒れて帰らない人となり、春先になると今でも二人の手をつないだ姿が残雪となって残っていることから人形山(ヒトカタ)と呼ばれるようになったそうです。
温泉の始まりや歴史を知ってると温泉を一層楽しむことができます
浴室
浴室には内湯が1つとドライサウナ、水風呂、露天風呂があります。内湯は広くて半身浴になる浅湯と肩まで浸かれる深湯になっている部分があります。男湯と女湯を隔てている壁は石垣と白壁と瓦屋根といった城壁を思わせるような立派な和風の壁になっています。水風呂は一人用の大きさで木製の桶風呂になっており、蛇口を捻って水量を自分で調整することができます。
露天風呂は岩と手入れのされた日本庭園で囲まれており、山々の風景を眺めることができます。屋根のついたベンチで一息休むこともできます。
訪問時は土曜の昼間でしたが、とても静かでゆったりと浸かることができ、落ち着いた雰囲気で温泉に浸かりたい方にお勧めです。
成分分析表
基本情報
施設名 | 五箇山温泉 五箇山荘 |
住所 | 富山県南砺市田向333-1 |
電話番号 | 0763-66-2316 |
公式ホームページ | https://www.gokasansou.com/ |
宿泊 | 可能 |
日帰り入浴料 | 大人 500円 小学生 300円 幼児 100円 |
営業時間 | 10:00~21:00(サウナは11:00~21:00) |
定休日 | 毎週水曜日10:00~16:00(祝日の場合は営業) |
アクセス | 車; 東海北陸自動車道「五箇山I.C.」から10分 電車; 北陸新幹線「新高岡駅」 ↓ 世界遺産バスで50分 上梨バス停 ↓ 徒歩5分 五箇山荘 |
周辺観光情報
【世界遺産】五箇山合掌集落群
五箇山にある合掌造りの集落群である相倉集落と菅沼集落は岐阜県の白川郷と並んで世界遺産に登録されています。重厚なたたずまいの合掌造り集落はレトロ感と落ち着いた雰囲気を醸し出し、日ごろの日常とかけ離れた体験をさせてもらえます。集落の郷土資料館や伝統工芸体験、お土産屋、飲食店などはすべて合掌造り家屋ですべてを一日で回ることはできないほど充実しています。合掌造りの民宿もあるため、日常を忘れて世界遺産を満喫できるおすすめの観光スポットになります。
国指定重要文化財 村上家
五箇山荘から車で2分の位置にあり、五箇山地域の中心地に国指定重要文化財の村上家があります。約350年前の合掌造り建築様式の建物で屋内外の見学をすることができます。また、民俗資料や生活用品も見学でき、これらを囲炉裏で囲みながら当主のお話を聞くことができます。五箇山荘から近いため、是非とも一緒に訪れたい場所になります。
流刑小屋
五箇山は今は世界遺産に登録され、観光の名所として有名になっていますが、300年ほど前では庄川の断崖絶壁に囲まれた立地から流刑地として加賀藩から流刑人が送り込まれていた歴史があります。流刑といわれると島などを想像しますが、山奥の五箇山にも流されていたのですね。流刑人が入れられた流刑小屋の遺構は現存されているものは全国的に少ないそうですが、ここ五箇山では流刑小屋を再現したものがあります。五箇山荘から歩いて3分ほどの気軽に行ける流刑小屋では、今の五箇山の雰囲気からは想像もできない歴史の一面に触れることができます。
道の駅ささら館
五箇山荘から車で10分ほどの所にある道の駅ささら館は食事やお土産を買うことができます。五箇山特産の赤かぶや岩魚のお寿司などここでしか食べられないものを取り揃えています。道の駅の裏にはエメラルドグリーンの川が流れる絶景を見ることができます。
富山県利賀芸術公園
利賀(とが)芸術公園がある南砺市利賀は五箇山の東側に位置し、五箇山と同様に山深い中にあります。五箇山荘からは車で40分ほどの道のりになります。ここ富山利賀芸術公園は演劇の聖地と呼ばれ、合掌造りの劇場や野外の6つの劇場で国際的に活躍する方々の演劇が開催されています。富山県の山奥で国際的な体験ができるスポットになります。
井波彫刻総合会館
井波彫刻総合会館がある井波は南砺市の北側に位置し、彫刻の街として有名です。井波彫刻は200本以上のノミや彫刻刀を駆使して作られるそうで、細かくて見事な作品を井波彫刻総合会館で展示販売されています。欄間や置物、寺社彫刻まで幅広い作品を観覧し、発注することもできます。五箇山荘からは東海北陸道を使用して40分ほどになります。
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